先日、歩けない程酷い捻挫の患者様が来院しました。

捻挫するのは一瞬ですが一度痛めてしまうと長引くので困りますよね。

1週間から数週間。

違和感は数か月以上残ることもある捻挫の正しい対処、ご自分でできるセルフケア、初期段階の処置をこのページではお伝えします。

このページで紹介する処置を理解しておくだけで捻挫になったときに慌てることがなくなり、気を付けることがわかるので結果的に早い回復につながります。最後までよく読んで参考にして下さい。

 

捻挫とはどんな状態か?

捻挫で多いのは足首の捻挫。基本的に捻挫はすべて同じメカニズムで起こりますので足首の捻挫の理解をしておくことで、ほかの捻挫への対処もできるようになりますので足首を例に話を進めます。

 

関節を構成しているのは、二本から三本の骨。その骨と骨をつないで関節を逆に曲がらないように抑えている靱帯というものがあります。靱帯とは細かい繊維でできた繊維製のベルトと考えていただいていいです。このベルトが複数の骨をつないで関節が逆のほうに行かないように、肘が後ろまでいかないように、手首が通常の範囲を超えて曲がりすぎないように、ひざが前に曲がらないように固定しています。

この固定している範囲を超えて強い力がかかると、支えているベルトである細かい繊維でできた靱帯が傷ついて(部分的に切れて)しまいます。

切れた靱帯の組織は、内出血を起こして腫れが起こりズキズキした痛みが出てきます。

(炎症が起こった状態=炎症=痛み、腫れ、機能障害 )

これが捻挫を起こした状態です。

足首で言えばくるぶしのあたりが赤紫色にはれ上がります。

通常、捻挫をした時の炎症というのは6時間後くらいをピークに徐々に広がっていきます。ですから、けがの直後が大したことないからと何の処置もせずにいると時間がたった後から腫れがひどくなってしまいます。

 

捻挫した時、長引かないためにすぐやるべきこと

前述のように、早い処置が捻挫を長引かせないために重要になってきます。

通常捻挫などの炎症(痛み、腫れ、機能障害)がある場合は、RICE(ライス)処置という処置を行います。

RICE処置

  • R=rest 安静
  • I=icing アイシング(冷却)
  • C=compression  圧迫
  • E=elevation  挙上(患部を心臓より高くする)

この処置を48時間の間行ってください。

足首を動かさないために、90度で包帯などで固定する。包帯がなければハンカチでも構いません。足裏から足の甲へ回したハンカチを足首の前でクロスして後ろに回してアキレス腱のところでクロスして足首の前で結ぶ。

1回20分。氷で冷やす。

横になり、足首を高くする。

この処置を1日数回。二日くらい行います。固定は、2週間くらいを目安に痛みが引いても続けていてください。

初期の段階でこれらの処置をしておくことで捻挫が長引くのを防げます。

 

二日は足首を動かさない。温めない。揉まない。酒も飲まない。(炎症を悪化させるため)。カルシウムやたんぱく質を大目に摂取する。(治りを早くするための栄養として)

これらを心がけることで捻挫が長引くのを防ぐことができますので実行してください。

 

捻挫を放っておいて悪化してし合ったら。また、長引いている捻挫の対処法。

捻挫の処置は前述の内容で理解できるかと思います。

処置をしたくても取り掛かりが遅くなってしまうこともあるかもしれません。

もし、長引いてしまった(痛みがなかなか取れない)場合

  1. 固定の問題
  2. 関節周辺の筋肉の問題

1、固定の問題

なぜ長引くかというと、その理由として多いのは、固定の不十分です。

捻挫の時は足首の支えが弱くなった状態ですので痛めた靱帯に負担のかかることは避けたいですが、固定が不十分だと治ろうとしている傷ついた靱帯に力がかかるために小さな再発を繰り返してしまう。そのために靱帯がくっつくのが遅くなってしまうわけです。

2、関節周辺の筋肉の問題

もう一つ考えられる理由は、足首周辺の筋肉の硬さです。捻挫をして固定をしていると足首が動かないためにふくらはぎやスネの筋肉に力がかかりすぎてしまうために筋肉が固まってしまいます。硬くなった筋肉は関節の動きを制限するために制限された範囲以上に使おうとすると痛みが伴ってしまいます。これが違和感になっているわけですね。

1の対処法

なかなか取れない痛みが続いている場合は、患部の圧痛もチェックします。患部に圧痛や腫れがある。そんな場合は小さな再発を繰り返しているため、再固定をして様子を見ます。足首をしっかりと強めに固定して1週間から2週間くらい様子を見ていきます。大体はこれで解決していきます。

2の対処法

捻挫が長引いていて患部の圧痛をチェックしても圧痛はそれほど強くない。でも歩くと痛い。

そんな場合は、足首周辺の筋肉の硬さが原因のこともあります。その場合は、筋肉をマッサージなどでほぐす、温める、痛まない範囲での足首の上下の運動などをして筋肉が緩みやすいようにしてあげると歩いた時の痛み、足首の曲げ伸ばしも楽になっていきます。

 

それでもダメな場合は、

  • 捻挫が骨折を伴うものだった
  • 靱帯の損傷が激しい
  • 病的な関節炎

これらが考えられますので病院での検査をお勧めいたします。

捻挫の再発防止のためにできる事

スポーツなどをする場合でも、痛めた方向(可動範囲を超えた方向)へ動かさないようにするためにテーピングやサポーターで固定をする。行き過ぎを事前に防いでおくことで再発を防止する事ができます。

また、関節の柔軟性、筋肉の柔軟性を保つように心がけるのも捻挫の予防には大切になってきます。

捻挫の処置のまとめ

いかがでしたでしょうか?

これらを理解しておくことで捻挫への対処の意識が変わってきます。早く正しい処置をすれば、早く回復しますので今回けがした時だけでなく常にこの初期の対処を忘れないで下さい。

RICE(安静、冷却、圧迫、挙上)処置でダメージを最小限にして、回復しやすい環境づくりの固定をしっかりと2週間行う。これを意識するだけでアスリートであれば早い競技の復帰、一般の方も早く普通の日常生活に戻ることができるようになります。

ご自身でもできる処置法を解説してきました。治療院に行ってもなかなか治らないという方もこちらを見ていただければ基礎的なことがわかるので、不安が減ると思います。

 

もし捻挫のことでのお悩みあるようでしたらこちらまでご相談ください。

 

泉町接骨院

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